母樹林

成長が旺盛で元気な樹木、幹がまっすぐ伸びてどっしりと太く、病気や不順な気候にも強い木、そんな優秀な杉やヒノキの苗木を供給する目的で、育てられた山林を「母樹林(ぼじゅりん)」と呼びます。良質な母樹林の種子やさし穂を採取して、苗木に育てます。
今回拝見させていただいた母樹林は、三重県多気郡大台町にあります、滝又特別母樹林(トヨタ三重宮川山林内)。
もともとは尾鷲地方のヒノキが選抜され、明治27年(1894年)に植えられたもので、 昭和48年(1973年)には、特に優秀なさし穂や種子の採取に適した山林として、農林水産大臣により特別母樹林に指定され、樹齢100年を超える現在まで大切に保存されてきているそうです。

 滝又特別母樹林
この特別母樹林のさし穂や種子は、宮川の山林に再び植えられていったそうです。

ちなみに・・・・・・・・
さし穂(枝の先端部分)を苗畑に植えて根付かせた「さし木苗」は、親木の形質がそのまま引き継がれます。
種からよりも成長も早いですが、均質な山林になってしまうので風倒木などのダメージをいっせいに受ける危険が潜んでいます。

種子を苗畑で発芽させた「実生苗(みしょうなえ)」は、他の木との交雑により、いろいろな形質が混ざっていきます。そのため、実生苗の山林は、間伐によって劣勢木を伐採し、優秀な樹木を残していく作業が必要となります。

<担当者より>
林業の知恵というべき母樹林。この特別母樹林は農林水産大臣に指定されていることもあり、勝手に伐採できないそうです。

今回の参考・関連・情報源
◆トヨタ三重宮川森林 滝又地区 説明パネルほか

 

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